FRONTSTYLE [ Vol.444 ] 販売員の視点・イタリア編
人気の”おしゃれコラム”、今月もイタリアからの情報発信です!今回はイタリアのショップの裏側をお見せします。
FRONTSTYLEのおしゃれコラムに掲載されました。
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『 販売員の視点・イタリア編 』
イタリア在住ライター 小林 深藤
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冬のセールも一段落した頃ですが、みなさんは何を買いましたか?こちらイタリアでもセール終盤、本格的な寒さの到来で外は寒いですが、ショッピングストリートの買い物熱はまだまだ冷めていないようです。私もお気に入りのブランドで、前から狙っていたアイテムを半額でゲットできて大満足。
そんなイタリアから、久々のレポートです。
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イタリア人のサイジング感
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昨年、今年にかけて期間限定でイタリアの某ブランドショップの販売員を経験しました。
最近「Can Cam」(キャンキャン)でもよくとり上げられている人気ブランドで、レザーバックをメインにお財布、ポーチ、キーチェーン、サンダル、ブーツ、コート、腕時計など幅広く取り扱っているイタリアブランドです。
街のメインストリートにあるショップで、夏は世界各国の観光客、秋・冬にかけては地元のイタリア人のお客様が多く来店し、ヨーロッパのおしゃれなマダムのファッションもじっくりチェックできました。
色々な国籍のお客さんが来店し、それぞれ色んなファッションスタイルがあったのですが、イタリア人のファッションでずば抜けて優れているのは、まずサイジングが素晴らしいというところです。
自分の体型に合ったサイズにとことんこだわり、自分が最大限に魅力的に見えるコーディネートをよく知っています。おしゃれだな、と思う人たちをよく観察していて見えてきた共通点です。パンツのラインも、コートのシルエットも、オーダーメイドしたかのようなぴったり具合。
その秘密は、既製品のものにちょっぴりだけ手を加えること。たとえば、レザーのショルダーバックを新品で購入しも、そのままでは決して使用せずに、仕立て屋に持っていってストラップを少し切ってもらって短めにしてもっらているお客さんもたくさんいました。
レザージャケットも、サイズはほぼぴったりなんだけれども、ほんの少しだけ背中の部分をつめてもらうだけでシルエットがより洗練されたものになったり、ほんの少しの工夫の積み重ねでトータルとして素晴らしいバランスのシルエットが出来上がるのです。
いくらデザイン的に素晴らしいアイテムでも、S、M、Lのカテゴリーだけで人間の体型を分けるのには無理があります。
例え同じ身長160センチの人だって、肩幅は広かったり狭かったり、腕が長かったり短かったり、ヒップが大きかったり小さかったり…。
考えてみれば当然のことなんですが、せっかく新品のものをわざわざ改造するというこだわり、そこまでの発想はなかなか生まれませんよね。これもサイジングの大切さをよく知っているからこそ出来ることなんでしょう。
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販売員の観察力
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販売員をしていると、当然お客さんのファッションチェックも販売員同士での話題にのぼります。
「いまのお客さんの着ていたコート、素敵よね。」とか、
「あのバック、○○ブランドの新作よ。」とか、
「彼女のヘアスタイル、真似してみたいわ」など、
良いと思ったものはとことんほめて、良いものをたくさん見てセンスを磨きます。
それと同様、センスが悪いお客さんには、ショップから出て行ったあとに厳しいコメントの嵐!!
「あんな格好して出歩いて恥ずかしくないのかしら!?」や、
「あのファッションにあの靴を合わせるなんてどんなセンスしているの!?」など、
全身の細かいところまでしっかり見ているので、思わず自分の格好を鏡で見直してしまったくらいです。
また、“ファッションセンスがない”お客さんは、セールストークで販売員の好きなものを買わせることができると言います。
「このお色、お客さんにお似合いですよ。」や、
「このバックと一緒にこのストールを合わせると素敵ですよ。」など、
たくさんのお世辞を並べられて、販売員に勧められたショップで売れ残っているものを、それをそのまま買っていくそうです。
あまり選ぶのに自信がない人は、ファッションセンスの信用できる友達を一緒に連れてアドバイスしてもらった方が、販売員の話術にはまらず冷静な判断ができるでしょう。
それとは逆に、販売員に“この人はファッションセンスがある”と思われると、そのシーズンで本当にイチオシのアイテムを教えてくれたり、セールシーズンでも新作をわざわざ見せてくれたり、違いを分かってくれるお客さんには対応もそれなりに変わってきます。
ショップに入る際には、全身のコーディネートが見られているので、良いショッピングをするには、家を出る前からが勝負です!!もちろん常連さんになると、セールの案内が早めに届いたり、おまけをしてもらえたり、品切れた商品も取り寄せしてくれたり。
リピーターにも優しくしてくれるので、お気に入りのショップには足しげく通うことも良いショッピングの秘訣ですね。
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スマートな値切り方
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イタリアでショッピングする時は、ちょっとした買い物でも値切りをするのが割と一般的です。チェーン店よりも、個人経営店の方が融通が利くので、値切りをしてもらえることが多いです。
値切り方もさりげなく、会話の一部としてさらりと聞けると、お互いに気持ちよくやり取りできます。値下げ額は端数を切るくらいの”気持ち程度”が普通で、それ以上をしつこく値切る人も見かけましたが、あまり良い印象を受けられませんでした。値切りは、あくまでもショップ側からのおまけですので、笑顔でやり取りできる範囲がベストですね。
ショッピングは海外旅行の楽しみのひとつ、ショップをのぞきに行く時にぜひ頭の片隅に置いておいてみてくださいね。
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コラムの感想もお待ちしています。 mimitalybuyer@yahoo.co.jp
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