ファッションコラム4月号「シルクのすすめ」

mimitaly2009-04-17

先日発行されたファッションコラムをご紹介します。オリジナルの原稿はこちらから読めます。
今月から、ライターの写真とミニプロフィールが掲載されていますので、良かったらご覧くださいね!



「シルクのすすめ」 イタリア在住ライター 小林 深藤


 日本ではそろそろ桜前線がやってきて、きれいな桜の花の見所を迎えた頃でしょうか。イタリアにも桜の木はありますが、日本の桜と比べると少しドライなさっぱりした感じの花です。また、どちらかというとサクランボ栽培用に畑に植えられていて、日本のように観賞される対象ではありません。やはり桜の季節の日本には独特な美しさがあるなぁ、と改めて思う今日この頃です。さて、今日はシルクについてとり上げてみたいと思います。


シルクの歴史


 シルクの歴史は紀元前の中国から始まり、7世紀にはヨーロッパでも絹製法が始まりましたが、その品質は本場の中国シルクには及びませんでした。1100年代に入ると、イタリアでシルクの生産が盛んに行われ、ヴェネツィアは貿易港としてその輸出入を担い、ヨーロッパ中にイタリアの美しいシルクが広がりました。その後1600年代にはフランスでシルク生産が栄え、特にリヨンはシルク生産の町として有名になっています。
 その美しい光沢感と感触から、シルクはいつの時代にも豊かさの象徴とされ、ヨーロッパの貴族の間で大変人気のある素材でした。ヨーロッパに絹製法が広まった後も、オリエンテ(アジア)は絹の名産地として知られ、1800年代にはアレッサンドロ・バリッコの小説「絹」(同タイトルで映画化もされています。)に出てくるように、より強い、上質の蚕を求めて中国や日本に旅する者が絶えませんでした。

Monsoon 上質シルクのエキゾチック+刺繍たっぷりワンピース



現代ファッションへのシルクの取り入れ

 さて、時代を現代に戻しまして、戦後はシルクも一般的なファッションアイテムの一部として気軽に取り入れられるようになりましたが、ここ数年特にシルクを多様するブランドが増えていて、その応用の仕方も多様性が出てきているように思います。例えば、マドンナがH&Mとコラボした日本の着物からヒントを得たキモノ・ドレスは、もはやファッションの定番アイテムになりつつありますね。
  ラップワンピースで一躍有名になった DIANE VON FURSTENBERG(ダイアンフォンファステンバーグ)は、シルクワンピースのラインが充実している事で有名ですが中でもジャージー素材のシルクワンピースは伸縮性もあり、シルクなのにカジュアルライクに楽しめます。シルクの着心地のよさと、ジャージー素材の動きやすさから生まれた新しい感覚のシルク素材です。


DVF Classy掲載ワンピース Barcelona mosaic
DVFのラップドレスDeco Vine Floral


 また、最近の新しい動きとしては、いわゆる“シルク混合”と呼ばれる、コットンなどの異素材にシルクを掛け合わせたものです。カジュアルブランドの低価格アイテムにも人工シルクを混ぜる事によって、シルクの光沢感、高級感を醸し出しつつ、気軽にシルキーさと軽やかさを楽しめます。有名なところでは、昨年の夏にマリメッコが発表して大人気になったシルク混のチュニックやワンピースが記憶として新しいですよね。



H&M シルク混花柄ブラウス
H&M シルク混アニマルプリントのチュニックカット



シルクとの暮らし方

 シルクの美しさを長く保つためには、ちょっとした気配りが必要です。座りジワなど、シワがつきやすいシルク、決してアイロンをかけてはいけません!クリーニングでシワ洗いをお願いするのが一番良いのですが、ご自宅のお手入れとしては、薄いシワだったら、2、3日ハンガーに吊るしておくだけでほとんどのシワが消えます。少し深めのシワでしたら、ハンガーにかけた状態でアイロンのスチーム部分だけをシワ部分に当てます。また、夏場などに汗をかいてしまった場合には、すぐに汚れた部分を少し濡らした布で軽く当てて、なるべく早く専門のクリーニングに持っていくようにしましょう。
  最近の輸入製品では、素材表示が外国語のままになっている事がありますので、素材にシルクが混ざっていないか注意する事も必要です。ちなみにイタリア語でシルクは”seta”(セータ)、フランス語では”soie”(ソイエ)と言います。

これから薄着になっていく季節、ちょっぴりハイクオリティーなシルクを取り入れて、いつものおしゃれをセンスアップしてみてはいかがでしょうか。




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小林深藤@waja


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