ファッションコラム5月号【イタリアウェディングドレス事情】

mimitaly2009-05-22

　今月もファッションコラムが更新されましたのでお知らせします。最近プライベートでも結婚式に参加する事が多くなってきましたが、今回はイタリアのウェディングドレスについてフォーカスしてみました。
完全版を読むにはこちらから　⇒frontstyleファッションコラム【イタリアウェディングドレス事情】

【イタリアウェディングドレス事情】

　もうすぐジューンブライドの6月。6月は家庭の守護神ジュノーの月である事から、6月に結婚する花嫁は幸せになるという言い伝えがあり、現在でもイタリアでは6月に結婚するカップルがとても多いです。そんなウェディングシーズンを迎えるイタリアから、今回はイタリアのウェディングドレスについてフォーカスしてみたいと思います。

聖なる結婚式の衣装

　イタリアでの花嫁ドレスと言えば、もちろん真っ白のウェディングドレスが定番。でも、教会での結婚式はキリスト教の宗教的な意味合いが強いので、フリフリ・ファンシー系のドレスよりもシンプルで清楚なドレスが主流です。もちろん神聖な場所である教会内は花嫁であっても肩出しはNG、長いベールや薄手のボレロ等で肩を覆って教会に入ります。そんなイタリアの花嫁のこだわりポイントは、エレガントなドレスライン。素材の質とカットの良さで、伝統的なデザインの中にそれだけエレガントさを出せるかが美しい花嫁になる条件と言えるほどで、もちろんバックスタイルも完璧なものを求めて何ヶ月もドレスショップを探してお気に入りの1着を選びます。

　イタリアではお色直しの習慣などはなく、ドレスのまま式を挙げて、そのまま街中に写真撮影に行き、披露宴に参加して、夜にはダンスパーティーになって花嫁も一緒に踊ったりして丸一日ウェディングドレスを着ている事が多いからかなのか、ドレスをレンタル習慣はあまりなく、買取する場合がほとんどです。ちなみに私が先日参加した結婚式では、なんとダンスパーティーでノリノリに踊っていた花嫁のドレスが破けてしまいました！でも長い一日の最後での出来事だったので”破けたのが最後で良かったね！ ”と笑い話で終わったのも、きっとイタリアだったから許されたハプニングでしょうね。

2009年のトレンド

　伝統的なスタイルが好まれるイタリアのウェディングドレスですが、やはりその年ごとのトレンドはあります。今年のウェディングドレスは、薄手の生地を使って縦プリーツをふんだんに取り入れたスタイルが多く見られます。縦のラインでシャープ間を出しながら、歩く度にやわらかいシルエットがなんとも言えないゴージャス・フェミニン！スカート部分だけにではなく、デコルテ周りをプリーツで包むデザインもあったり、その取り入れ方は様々。ふわふわ感また、レース使いとシルバーラメをプラスするのも今年流です。レースは胸元や肩周りはもちろん、スカートの裾にフリルのようにたっぷりつけて甘さを出しています。シルバーラメは、ウェストラインにベルトのようにアクセントに使ったり、胸元のモチーフとして登場させたり、ドレス全体にキラキラを散りばめて華やかさをアップさせています。

ドレスの色は大人っぽいオフホワイト、パールホワイト、そしてシャイニーライトベージュなどの光沢感のあるカラーが人気です。Sex & The Cityでキャリーが着ていたようなドレスのカラーと言えば分かりやすいでしょうか。（余談ですが、キャリーのウェディングドレスは、ネットで発売開始1時間で完売してしまったそうです。）過度に派手になり過ぎずにセンス良く華やかにする、イタリアファッションの真髄がここでも垣間見られて気がしますね。

ミックス婚、増加中

　イタリアの教会での結婚式は、本来カトリック同士の結婚の儀式で、キリスト教の神に愛を誓います。近年イタリアでも増えてきている国際結婚の場合は、当然異教徒との結婚になるので、教会によってはミックス婚として片方が異教徒であっても特別に認めてくれるところが増えてきています。その時に、自分の国の伝統的衣装を着たり、イタリアのドレスにアレンジを加えたりする花嫁さんが多く、目にも楽しい結婚式が増えてきました。

　真っ赤なベトナムの伝統的衣装をまとったアジアンビューティーに、モデル顔負けの抜群のスタイルを持つセネガル人の彼女が着こなすウェディングドレスは人目を惹くし、ロシア出身の花嫁はドレスの上に真っ白の毛皮のショートジャケットを組み合わせたり、各国ともバラエティーに富んでいてイタリアのインターナショナル化がうかがえます。日本人の花嫁で、イタリアで着物を着て結婚された方もいらっしゃるそうです。

　伝統重視派のイタリアスタイルに、新風を送り込む国際結婚カップル達。これから結婚式シーズンのピークを迎えますが、どんなスタイルにせよ、全ての花嫁が一番ハッピーで素敵でいられるウェディングが迎えられる事を願っています。

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