♪ファッションコラム オペラ舞台のメイク&衣装の裏話♪

mimitaly2009-07-28

FRONTSTYLEで執筆中の今月のファッションコラムが更新されました。  


ファッションコラム オペラ舞台のメイク&衣装の裏話

みなさんは、オペラを観に行く機会はありますか。オペラはイタリアのフィレンツェで発祥したもので、特別オペラに関わりのないイタリア人でも有名なアリアなら誰でも口ずさめるくらい、イタリアの生活に密着しています。今回はそんなイタリアからオペラのメイク術と舞台衣装についてご紹介したいと思います。


芸術的なメイクテクニック

オペラのメイクは、舞台の上で動き回る歌手達の表情や役柄をよりはっきりと見せるためにするものである為、普段私たちがしているメイクと比べるとかなりオーバーで派手なものになります。

まずは、パンケーキと呼ばれるプレス型のファンデーションで下地をしっかりと作って、その上に役柄に合ったメイクを施していきます。メインキャストではない民衆や、村人などの化粧っけのない役柄でも、舞台の強いライトがあたると、目や鼻などのパーツは白くとびやすくなってしまうので、アイライン、眉毛、チークなどでしっかり顔のパーツを強調する必要があります。顔の肌の色は、その役柄や舞台設定によって変わってくるのですが、例えば”アイーダ”でエチオピア人を演じる場合には、肌の色をかなり濃い色でメイクするので、その時に全体的に違和感がないように、首や耳はもちろん、手や腕などの肌が露出する部分をメイクするのも忘れてはいけません。衣装の下に、顔の肌色と同じカラーの全身タイツ(オールインワンのレオタード風衣装)を身につける場合もあります。

演じる役柄によっては特殊メイクを施すことがあり、そのテクニックもまたこだわりの芸術的感性の域にまで達しています。まず、ベーシックなのがブラウンとホワイトのカラークリームで、顔の表面の凹凸を作ること。明るいトーン(ホワイト)が前(凸部分)に見せてくれて、暗いトーン(ブラウン)が影を作ってくれるので、そのテクニックによって、ほっぺをふっくらと見せたり、痩せこけたように見せたり、シワや肌のたるみを作って老人風に見せたりまさに自由自在。ここに、その役の性別、社会的位置、年齢、性格、舞台でのライトの強さなどを考慮しながら、色のトーンを考慮したり、付け髭を加えていったり、眉毛のラインの角度を決めたりしていきます。

メイクさんに聞いたところ、一番難しいメイクは、若い人をよぼよぼの老人に変身させる事で、凹凸のテクニックでたるみを見せる以外に、将来シワになるであろう”予想シワ”をペンシルでひいていって、さらに強調するためにそのシワラインに白色で影をつけていきます。若い女性には”将来のシワ”だなんて、ちょっと考えたくない話かもしれませんが、メイクテクニックひとつで将来”老人→若者”にも逆戻り出来るので、それをせめてもの救いとポジティブに受け止めてみる事にします。

そして、実は意外に知られていないのが、オペラ歌手は歌うときにかなりの汗をかくこと!あれだけの高音、声量で歌い続けるには、それだけのエネルギーが必要な訳で、額から滝のように汗を流しながら歌っているオペラ歌手も珍しくありません。しかし、せっかくのメイクが汗で消えてしまっては困るので、メイクにワセリンを混ぜる事によって、防水効果を仕込んでおきます。ただ、ここまでばっちりメイクをすると、そのあとメイクを落とすのが一苦労なのが難点。美しいものにはやはりそれだけの対価があるのですね。

こだわりの舞台衣装

オペラの演出でメイクと同じように重要なのが、舞台衣装。ご存知のように、オペラのストーリーは時代背景が歴史的なものであったり、遠い外国のあまり馴染みのない国での出来事だったりするので、しっかりと研究して忠実に再現する必要があります。布の種類、ベルトの巻き方、装飾品、カツラ、など細かいところまで数え始めたらキリがありませんが、その一つでも間違ってしまうと衣装としての意味を損ねてしまうので、慎重に選んでいきます。

また、総合芸術とも呼ばれているオペラ、衣装の色合いも舞台のセットの一部、背景の色合いに使われる事もあります。特に出演人数の多いオペラでは、例えば同じ役柄のグループでも、衣装を部分的に変化させたり、小物の色を変えたりして、人々の衣装でグラデーション効果が出るようにしたりする事もあります。

ヨーロッパのオペラ劇場では”蝶々夫人”や”トゥーランドット”などのアジアを舞台としたオペラの人気が根強く、日本人デザイナーのワダエミさんが衣装デザインを手がけたりなどもして好評を博しています。

最近では、現代版の演出も人気で、舞台セットが奇抜なものになったりする他に、衣装も現代に合わせて設定させる場合もあります。例えば先日上演されたトゥーランドットでは、カラフ(中東の王子という設定)が、ジーンズに革ジャンだったり、リュー(召使)がミニスカートにUGG Australiaのようなモコモコブーツを履いていたりと、オペラの舞台にも現代の流行が取り入れられているのを垣間見られるワンシーンでした。

歌の競演、音楽が中心であるオペラですが、最近は目で見ても楽しいオペラを意識するようにもなってきています。メイクや衣装の裏話を知っておくと、オペラ鑑賞の新しい楽しみがまた一つ増えますね!



★写真満載の原文を読むにはこちらからどうぞ → ”オペラ舞台のメイク&衣装の裏話” By ライター 小林深藤

★ちなみに、アレーナのオペラに関する記事は、プライベートブログにもたくさん書いています♪



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